犬の「むだ吠え」とはいったい何でしょうか?

 このことを考える時、犬はどういう動物か、「なぜ犬は吠えるのか」ということを考えねばなりません。
 犬はある意味「吠える動物」です。私たちは言葉=言語を持ち、自分たちの思い、考え、望み、要求を言葉にして説明し他人に伝える、あるいは訴えることができます。つまり、「おなかがすいたから何か食べたい」「退屈したから外に行って思いきり体を動かしたい」「知らない人が来たから不安で恐い」「一人ぼっちで寂しい」「痛い」などなど、それぞれについて細かく表現して誰かに伝えることができます。ところが犬はどうでしょうか?誰かに何か伝えたい、あるいは不平不満を訴えたいと思って彼らなりにそれを表現しようとした時、多くの場合それは「吠え声」になるのです。
 私たちは犬の「むだ」吠えと言いますが、犬にしてみたら「むだ」なものはありません。犬が吠える=必ずそこには犬が吠えるだけの十分な「理由」が存在するのです。犬の「むだ吠え」と私たちが言っている多くのものは、すなわち「飼い主としては自分の犬に吠えてほしくないのに犬が吠えている状態」であると言って差し支えないものがほとんどです。ですからまず、なぜあなたの犬は吠えるのか、その理由は何か、どうしたらやたらと吠えずに済むのか、ということを考えてやる必要があります。犬のために、どうぞこの点は飼い主の皆さまが日常から犬の行動をよく観察し、彼らの立場にたって考えてあげてください。犬の吠え声は、日常生活の中で犬の立場に立って環境を整えたり(吠える原因があって、それが取り除けるのであれば取り除く、あるいは避ける)犬の要求(空腹、運動不足など)を満たしてやることで防げる場合も多いのです。どうぞこのことをまず考えて対策を考えていただきたいと思います。
 もしも山奥の一軒家に住んでいて周囲には他の人家もないような場所であれば、理由は何であれ、一日中犬が吠えていても特に問題にはならないかもしれません。しかし、都市部や住宅が密集した環境で長時間にわたって犬が吠えたり、夜中だろうが早朝だろうがかまわずに吠え続けたりということになれば、周囲への配慮も考えねばなりません。犬の吠え声が問題になるのはまさにこうした環境的理由もあるのです。

 もしも、手を尽くしても犬の吠え声をコントロールできない、しづらい、あるいは周囲への配慮からやむを得ないという場合は、アボアストップを手段の一つとしてご検討ください。
 中には、吠え始めたら自分の吠え声に興奮してますます吠え止むことが難しいタイプの犬もいます。このような犬は特に吠えていることを「うるさい!」と叱りつけたりしてこちらが大声を出したりすると余計興奮してますます吠えてしまうものです。人間の言葉では「うるさい」「いけない」という意味であっても、犬にしてみればそうした大声は往々にして「飼い主も一緒になって大声で吠えて応援してくれている」と受け止められてしまいます。また、犬が吠えると叩いて叱る飼い主もいますが、犬にしてみればなぜ叩かれたのかほとんどの場合、理解できません。いきなり飼い主から暴力をふるわれたと感じたり、叩かれたことの肉体的、あるいは精神的な苦痛のみが残ってしまいます。

 アボアストップを使うためのヒントにも書きましたが、犬が吠えた時に「吠え声を止めるきっかけ」を与え、それによって吠えることを止めたら、その「止めた」という行為をほめてやることが特に必要です。吠えるのではなく「声を出さずに静かにすること」がすなわち、ほめられるに値する良い行為であり、飼い主が今望んでいる行動は「吠えないでいる」ということを犬に教えてやるのです。犬にとって飼い主である主人からほめられることは、とても大きな喜びです。叱りつけたり叩いたりするのではなく、犬に良い行いをほめて教えることはとても効果的です。
 アボアストップは、その「吠え声を止めるきっかけ」を与える道具です。苦手な香りと噴射音や鼻先に感じるひんやりとした感触から「やたらと吠えるとあまりいい事が起こらない」ということを犬が学習して吠えるのをがまんすることを覚えていきます。
 その上で、エネルギーがあり余っていて運動不足であればそれを解消してあげる、吠える原因除去が可能であれば行うなどの対策も同時に行ってください。

 しかしながら、いろいろと手を尽くしてもなかなかうまくいかない場合は、日常のトレーニングも含めて問題行動の専門家などに相談することもおすすめします。


電気ショック vs アボアストップ

 犬のむだ吠え防止として、他に市場に出回っているものに電気ショックの首輪があります。

 電気ショックの首輪は、犬にとってある種の苦痛を肉体的にも精神的にも与えます。犬によっては、自分が吠えたことで首に感じる電気ショックにおびえて精神的にパニックに陥る子もいます。電気ショックの苦痛と恐怖から更に声(悲鳴)を上げる犬もいますが、そうするとまた電気ショックに襲われてしまい、どうしたらよいのかわからず、精神的にも更に追い詰められてしまいます。一種のパニック状態になってこの苦痛から逃げ出そうと逃げ惑う犬もいます。
 電気ショックに対するリアクションは個々の犬の気質でも違いますが、このように精神的にも肉体的にもある種の苦痛を犬に与えてしまうため、おすすめしがたいと言わざるをえません。家族の一員として犬と暮らす時に、犬に必要以上の苦痛を与えることは私たちが望むものではないと思います。
 アボアストップはショックではなく「香り」「音」「感触」で犬の吠える行為を止めさせるきっかけを与えるもので、犬を精神的、肉体的に追い詰めることもない、人道的な道具です。


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